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親恋地蔵尊

親恋地蔵尊縁起より

Oyagoi jizoson

むかし、丹波の国の女の人がたいへんかわいがっていたむすめさんがいました。あるとき、急にそのむすめさんがいなくなりました。女の人はたいへんおどろいて、むすめさんをさがしてあちこちあるき回りましたが、その行方は少しもわかりません。思いあまって京都へ来て、この寺の地蔵さんに「むすめをさがしてください」とたのんで、家へ帰りました。途中、一人の坊さんに会いました。その旅の坊さんは、自分の持っているつえで田んぼをさしています。女の人はふしぎに思って、坊さんのさした所をほってみると、むすめさんのなきがらが出てきました。女の人はおどろき、かなしんで、娘さんをていねいにほうむりました。

女の人は、むすめが土の中で安らかにねむるようにと京都のお地蔵さんにおまいりしました。するとお地蔵さんの持っているつえの先に土がついていました。

そこで女の人は、あの旅の僧はこのお地蔵さんの生まれかわりだと思って、信心をあつくしたということです。


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